2022年12月6日火曜日

アドベントカレンダー

12月6日 サンタクロースの日 

アヒルのエミーが巣からはい出して、まだ眠そうな眼をこすりながらぼんやりと思い出しています。 『12月6日の朝がくる前に、サンタクロースがやってきて、きれいに磨いたブーツにこっそり子どもたちへのプレゼントを入れて行ってくれる......。』 このお話、 私がいま夢に見たんだっけ?それともサンタクロースって本当にいるの? ここまで考えが進んだ時、 エミーは突然ぱっちりと目を覚ましました。『夢なんかじゃない。 このお話、ママがこの間、私と弟のエノに聞かせてくれたんだ!』そうです、だけど、アヒルはブーツなんて持っていません。それでブーツの代わりに何を置こうかって、みんなで考えたのです。そして、お洗濯したばかりの緑の縞々ソックスを、池の近くの柵にぶら下げておいたのでした。『エノ! ほらっ、早く起きて!』と、エミーは弟を起こします。そしてエノがまだちゃんと目を開けてもいないうちに、まるで泉からほとばしる水のような勢いで話し始めました。『ねえねえ、エノはどう思う? サンタクロースさん、本当に来てくれたかしら? 早く行って確かめてみようよ。もう私、待ってなんていられない!』 こうして2 羽は一緒に、あの柵のところまで行ってみました。そこで最初に声をあげた のはエノの方です、『ほら見て、 エミー! サンタクロースさんが本物のブー ツを置いてってくれたよ! 中にはリンゴとナッツ・・・、それにプレゼントも!』 2羽はさっそくプレゼントを開けてみます。 『わーい、 毛糸のお帽 子!色とりどりで、とってもきれい。1つは私に、もう1つはエノ、あなたのよ。』と、エミーは大喜びです。


2022年12月5日月曜日

アドベントカレンダー


12月3日 これなあに? チクチクする! 

ミミとミアは好奇心たっぷりの子猫たちです。 今日も一緒にお散歩しながら、何が発見できるかな・・・?とワクワクしています。 だからどこにでも小さなお鼻を入れてクンクン。 そのせいで『痛ーい!』 って叫んだのはミミの方。『何だろう? 鼻にチクっときた!』と、2匹で現場をよーく観察してみました。 するとそこにいたのは緑色で針だらけのリングです。 そしてリングの上には、 ロウソクが4本立っています。『食べられるかな?』そう言って首を傾げながら、ミアがパクっと食いついてみました。『痛い! チクチクするだけで、 全然おいしくない。 何なのこれ?』 そこへやって来たのが雄鶏のヘンリー、 『なあんだ、君たち、このリングを知らないの?』子猫たちがつまらなそうに首を横に振ると、ヘンリーが得意そうに教えてくれました。『これはアドベントクランツというテーブルリースだよ。アドベント、つまリクリスマスを待つ4回の日曜日ごとに、順々にロウソクに火を灯していくんだ。アドベントの最初の日曜日はロウソク1本。その次の日曜日には2本ってね。4回目のアドベントの日曜日がやってきて、4本のロウソク全部に火がつくと、クリスマスはもう目の前っていう合図なんだ。』子猫たちは、これを聞くと『素敵な伝統ね!』と言って、嬉しそうな声でミャーンと鳴きました。

このお話の場面は、クリスマスのイラストのどこにありますか? アドベントクランツをそこに置きましょう。 


12月4日 素敵なプレゼント 

ファームではクリスマスのための準備がどんどん進んでいます。動物たちはみんなワクワク、 小さな羊の子ララも、もちろんその一人です。今年のクリスマスは、みんなでプレゼント交換をすることになりました。 どの動物も、誰かからのプレゼントを受け取ることになります。誰のためにプレゼントを用意するかはくじ引きでのお楽しみ。子羊ララのプレゼント交換の相手は雌鶏モナと決まりました。『モナへのクリスマスプレゼント、何がいいかな?』と、ララは近ごろ毎日考えています。 だけど、いくらでも時間をかけて考えていられるわけではありません。 だって、もう3週間もしないうちにクリスマスがやってくるのです。 それに、まだまだしなくてはならないこともいっぱい。 黒い子羊ララは、牧場の原っぱを散歩することにしました。 何かいいアイデアがお散歩中に浮かんでくるかもしれません。 鼻先でちょんと押して飼育小屋の鉄の扉をすこーし開けただけで、もうとても冷たい風が顔に吹き付け、外にはぼたん雪もたくさん舞っています。 『わー、今日はとびっ きり寒いなあ! だけどぼくら羊は、このフカフカの毛皮のおかげで寒さもへっちゃら。あー良かった。』そう言うと、子羊ララはその場に立ち止まりました。『これだ! 僕の素敵な毛糸で編んだマフラー! モナへのプレゼントは、これに決まり!』 


12月5日  朝一番 

アヒルのエミーが、ファームの隣のお池で泳いでいます。水はとっても冷たくて、岸辺のあたりは氷が張っています。でも池はまだ、すっかり凍り付いてはいないのです。ボートを漕ぐみたいに水かきを動かしながら、 『クマさんへのクリスマスプレゼント、何にしようかな?』 と、考えているところです。プレゼントの交換相手を決めるくじ引きで、エミーとクマのティルがペアになったのです。それからエミーは、岸をよじ登るようにして水から出て、雪化粧の野原を歩き始めました、うっすらと積もった雪の上にペタンペタンと足跡を残しながら。夕べも少し雪が降って、木々も草むらもまるで魔法にかかって姿を変えたみたいです。すると、ま た、お空の雲からまるで大きな花びらみたいな雪が舞い降りてきました。アイデアがひらめいたのはその時です。『雪って、 私の柔らかな羽になんだか似てる。』そう思って、エミーは大急ぎで巣に戻ると、くちばしで白い羽毛を集めてみました。『わぁ! 思った通り、雪にそっくり!』と、エ ミーは予想通りの結果にとっても満足です。『ティル君へのプレゼントは これに決まり! だって、 雪にそっくりの羽毛を見れば、冬のこんなにきれいな朝を、いつでも思い出すことができるから!』


2022年12月2日金曜日

12月2日 アドベントカレンダー


12月2日 

雪の滑り台 


『コケコッコー! コケコッコー!』と鳴いているのは、 雄鶏のハネス。肥しの山のてっぺんに立って、今朝もこうしてファームのみんなを起こします。夕べは夜の間にたくさんの雪が積もりました。ファームはどこもかしこも分厚い雪に覆われています。 その雪が今、朝日を浴びてキラキラ光ってとてもきれいです。 おや? 子猫のミミとミアが出てきました。 2匹ともおっかなびっくりって感じで、冷たい雪の上にそーっと小さな足を乗せようとしているところです。 それを面白そうに見ていたハネスが、 元気に声をかけます、 『ほーら! こっちを見て!』ハネスは、 雪にすっぽり覆われた肥しの山に、 滑らかな羽がびっしり生えたお尻で一気に滑り下りました。 子猫たちは目を真ん丸にして『私たちもやってみたーい!』と口々に言いました。でも、白くお砂糖がかかったような斜面を上るのは、子猫たちには大仕事です。『待って待って、僕が助けてあげよう。』 と、ハネスは子猫たちを後ろから押してやります。 いよいよ斜面を滑り降りてみると・・・? 子猫たちは、すっかりその遊びが大好きになってしまいました。 『もう一回!』『ねえ、もう一回やろうよ!』と、山を登っては滑り、滑っては登って、遊びに夢中です。夜になると2匹ともくたくたに疲れて、でも満ち足りた幸せな気持ちで、かごの中に寄り添って体を丸めました。そして『私たち、生まれてから、今日が 最高に素敵な一日だったわ。』と、ハネスに小声で言いました。 ハネスもそれを聞いて嬉しそうに頷きます。 『だけど、もうすぐもっと素敵な日がやってくるんだよ。クリスマスをお楽しみに!』そう言って鶏小屋の方に飛んで行ったハネスの胸も、クリスマスを迎える喜びに早くも高鳴っています。


2022年12月1日木曜日

12月1日 アドベントカレンダー

12月1日 アドベントカレンダーが始まりました‼

12月1日「不思議なボール
ミミとミアは子猫の姉さんと妹。 これからいっしょにお外で遊ぼうと思っているところです。 2匹が暖かい納屋から出ようとしたその時、 小さな小 さな白いボールのようなものが空から落ちてきました。 ミアは、 その不思議 なボールを追っ払おうとします。 でも、逃げてなくなるどころか、後から後 から空から降ってきて、どんどん増えていきます。 ミミは怖がって、お昼寝 中のママの後ろに隠れてしまいました。 『ミアちゃんも、そんな所に居ない で早く隠れて! きっと危ないものだよ!』 とミミは言いました。だけどミア はそんなミミの心配もお構いなし。 今度はその白いものに向かって 

『フーッ!』と怒り始めました。 そんな騒ぎに、 お昼寝中のママも目を覚ま し、びっくりしてミアに尋ねます。 『ミア! 何をそんなにフーフー言ってる の?』『お化けが来たから、みんなを守っているのよ!』 とミアが答えると、ママは笑ってこう言います。 『まあミアったら! お化けなんかじゃないわ。これは雪。ほら見て!こうして遊ぶこともできるんだから。』そしてママは、舞い降りてくる雪を次から次へと捕まえて見せました。 ママの真似をして、ミアが雪を追いかけ回すと、ミミも安心して納屋から出てきました。 『わー、楽しい! 雪ってこれから毎日降るの?』 とミアに聞かれて、ママは 答えます。『雪が降るのは冬の間だけ。それも、よほど寒い日にしか降らな いのよ。』って。 だけど、ミアもミミも雪のことを何も知らなくてあたりまえ。だって2匹は生まれて初めての冬を迎えたばかりなのですから。 姉妹は 日暮れまで、嬉しそうに雪狩りをして遊んで過ごしました。