2022年12月2日金曜日

12月2日 アドベントカレンダー


12月2日 

雪の滑り台 


『コケコッコー! コケコッコー!』と鳴いているのは、 雄鶏のハネス。肥しの山のてっぺんに立って、今朝もこうしてファームのみんなを起こします。夕べは夜の間にたくさんの雪が積もりました。ファームはどこもかしこも分厚い雪に覆われています。 その雪が今、朝日を浴びてキラキラ光ってとてもきれいです。 おや? 子猫のミミとミアが出てきました。 2匹ともおっかなびっくりって感じで、冷たい雪の上にそーっと小さな足を乗せようとしているところです。 それを面白そうに見ていたハネスが、 元気に声をかけます、 『ほーら! こっちを見て!』ハネスは、 雪にすっぽり覆われた肥しの山に、 滑らかな羽がびっしり生えたお尻で一気に滑り下りました。 子猫たちは目を真ん丸にして『私たちもやってみたーい!』と口々に言いました。でも、白くお砂糖がかかったような斜面を上るのは、子猫たちには大仕事です。『待って待って、僕が助けてあげよう。』 と、ハネスは子猫たちを後ろから押してやります。 いよいよ斜面を滑り降りてみると・・・? 子猫たちは、すっかりその遊びが大好きになってしまいました。 『もう一回!』『ねえ、もう一回やろうよ!』と、山を登っては滑り、滑っては登って、遊びに夢中です。夜になると2匹ともくたくたに疲れて、でも満ち足りた幸せな気持ちで、かごの中に寄り添って体を丸めました。そして『私たち、生まれてから、今日が 最高に素敵な一日だったわ。』と、ハネスに小声で言いました。 ハネスもそれを聞いて嬉しそうに頷きます。 『だけど、もうすぐもっと素敵な日がやってくるんだよ。クリスマスをお楽しみに!』そう言って鶏小屋の方に飛んで行ったハネスの胸も、クリスマスを迎える喜びに早くも高鳴っています。