2022年12月12日月曜日

アドベントカレンダー

12月10日 びっくり、ドッキリ! 

雌鶏のモナが、ファームや森のお友達と一緒にクリスマスパーティーの準備をしています。クッキーを焼いて、パーティー会場のデコレーション。この後も、まだまだたくさんの仕事がみんなを待っています。

キツネのフレデリックがツリーを立てようとした時、モナが急にハッとした 様子でコッココッコと鳴き始めました。「ねえ、みんな! 何だか焦げ臭くない? クッキー、オーブンに入れっぱなしだっけ?』それを聞くとフレデリックもドキッとして、立てかけていたツリーからうっかり手を離してしまいました。それで大きな音を立てて、ツリーが床に倒れてしまいます。『あらあ ら、随分なクリスマスプレゼントね。まずは黒焦げクッキー、おまけにツリーまで倒れちゃって、まったくもう災難続き!』モナはそう叫んで、もうどうしたらいいのか分からない様子です。 そんな時、モナを落ち着かせてくれたのは、ハトのルーディー。『モナ、大丈夫、大丈夫。 クッキーなら僕が今、様子を見てきたばかり。焦げてなんかいないよ。何かの焼ける匂いは外から来たのさ。カラスのテオが焚き火をして、みんなにホットアップルジュースを作ってくれるんだって。』『わーい、美味しそう。じゃあ僕、さっさとツリーを立てちゃおう。』とフレデリックが言うと、モナも嬉しそうです。『じゃあ、私はオーブンからクッキー出してくるから、それからみんなで、焚き火を囲んで座りましょう!』そう言って、モナはコッココッコと笑いました。


12月11日 お手製のツリーオーナメント 

今日はいかにも12月らしく寒い一日です。子牛のベノは窓辺に座って、吹雪の舞う様子を眺めています。クリスマスのパーティーが楽しみだなって思いながら。『ねえママ、ユストゥス君とステラちゃん、まだ?』と、ママに尋ねます。ベノが待っているのは、今日約束した子牛のお友達2頭。みんなで一緒に、パーティーのデコレーションにする大きな大きなガーランドを作 ることにしたのです。ちょうどその時、ドアをノックする音が聞こえて、ママがお部屋をのぞきました。『ベノ、 いよいよ工作の始まり! お友達もやってきたわよ。』『やったー!』 と、ベノが嬉しそうな声をあげます。3頭の仲良しさんは、さっそく工作にとりかかります。きれいな色とりどりの工作用紙から、天使やクリスマスツリー、お星さま、雪の結晶などの形を切り抜 いていくのです。『とーってもきれいね!はい、お疲れさま。』と、ママも感心して言いながら、テーブルにおいしいクッキーと暖かいココアを出してくれました。おやつで力をつけると、ステラ、ユストゥス、ベノは、今度は切り取ったモチーフを全部ひもに通してつなぎます。こうしてツリーに掛けて飾る素敵なデコレーションのチェーンが出来上がりました。さっそく、ファームの大きな納屋に置かれたクリスマスツリーに飾ってみます。みんな満足の出来栄えを見ながら、声を合わせて『モミの木』の歌を歌いました。クリスマスパーティーがますます楽しみです!


12月12日 願いごとカード 

『どうしたの、ティル?』と、クマのママが尋ねます。クマの一家が住む洞穴の入り口にも雪がたくさん積もりました。小さなクマの子ティルは、そこにしょんぼりと立って、外を眺めているのです。目には涙がいっぱい溜まってキラキラ。一体何があったのでしょう?『雪、どこもかしこも雪・・・。僕の願いごとカード、雪の下に埋もれちゃった。』 そう言うと、ティルの目から 大粒の涙が次から次へとこぼれ落ちてきます。「とっておきのきれいなナッツを貼り付けてさ、 お家の前に置いて乾かしていたのに。 これじゃあもう、見つかりっこない。僕の願いごと、サンタさんに届かないよ。』ティルは すっかり希望を失って、ただただ泣きじゃくるばかりです。 ママはそんな ティルをぎゅっと抱きしめています。するとそこに、パパが帰ってきました。入り口で体についた雪をはらいながら、『どうして泣いるんだい?』と尋ねます。『僕の願いごとカードが、雪に埋もれて見えなくなっちゃった。』とティルが説明すると、パパから思いがけない返事が返ってきました!『ほら、これなーんだ? たった今、パパが雪の下で見つけたぞ。』そう言うとパパは、背中の後ろに回していた手を出して、一切れの紙を見せました。その途端、ティルの瞳がキラキラと輝き始めます。 今度は涙のせいでは ありません。『パパ、 僕の大切なカードを見つけてくれたんだね。』そう言うと、ティルは一目散に駆け寄って、パパにぎゅっと抱きつきました。 そうしながら心の中で、『おいしい蜂蜜の瓶! もうあきらめ寸前だったけど、おかげで願いが叶いそう...』って思いながら。パパのおかげで、カードだけで はなく、クリスマスパーティーを心待ちにするティルの思いも救われました。