2022年12月7日水曜日

アドベントカレンダー


12月7日 クリスマスツリー 

カラスのテオが息を切らしながら歩いています。足元では雪がキュッキュと音をたてています。飛び疲れて翼も重く感じられる上に、冷たい雪で足も凍 えてきました。

ファームの納屋での盛大なクリスマスパーティーのために、毎年クリスマスツリーにする木を選ばなくてはなりません。今年はテオが、その木を探す役になったのです。 羽毛を膨らませ、誇らしい使命に胸を張って出発したのは今朝早く。かなたに見える丘の背に、ようやく昇りかけたお日様が赤いお鼻をのぞかせた頃のことでした。それからというもの、探しに探しているのです。どの木よりも美しい一本を求めて。だけど、どんなに素敵な木にも、どこか一つ必ずテオの気に入らないところがありました。小さすぎたり、細すぎたり、幅が広すぎたり、高すぎたり・・・。そして葉っぱの色が明るすぎてもだめ、枝が多すぎるのも少なすぎるのも不合格です。 ため息をついて、テオはついに雪の上に身を投げてしまいました。『もうやだ。一歩も歩きたくない。』と、ガラガラ声で言いました。その時です、誰かの囁き声が聞こえてきたのは。『テオくーん、こっちこっちー!』って。不思議そうに首をかしげてから、テオは、何本もの枝をまるで腕のように振り動かしている1 本の木に気がつきました。『ここよ、ここ!どうか私を連れてって。 私クリスマスツリーになりたくて仕方がないの。』と、 その木は一生懸命です。そこでテオは上から下までじっくりと、その小さなモミの木を見てみました。根元から梢にいくにつれて、幹がちょっぴり歪んでいて、お世辞にも豊かに育っているとは言えません。 『ウーン、 そんなに言うなら・・・』 と、テオがしぶしぶ答えると、モミの木はいかにも嬉しそうに輝いて見えました。 そこで小さなカラスのテオも考え直します、 『一目見ただけ じゃ分からなかったよ。 こんなに輝くモミの木こそが、 クリスマスツリーにぴったりだ!』 

カラスのテオ君のフィギュアを取って、 アドベントカレンダーの上に乗せましょう。