2022年12月23日金曜日

アドベントカレンダー

12月23日 小さなトナカイパウラ 

ここはサンタクロースのトナカイの小屋。いつもと違う興奮と緊張感が張り詰めています。 それもそのはず、 いよいよ明日がクリスマスイブ! トナカイたちは 毎年のように、サンタさんの大きなそりを引くという晴れ晴れしい役目を果たせるのです。サンタさんと一緒に、そりいっぱいに積んだプレゼントを子どもたちの元へ届けるために。どのトナカイも、もう出発を楽しみにしています。だけどたった一頭、悲しそうに藁の上に横たわっているトナカイがいます。 小さなトナカイの子、パウラです。パウラはまだとても小さいので、そりを引くことができません。だから他のみんながサンタさんと一緒にプレゼントを配っているあい だ、小屋でお留守番していることになったのです。小っちゃくてもパウラだって、子どもたちにプレゼントを届けたくて仕方ないのに。『元気を出して、パウラ! 来年こそみんなと一緒にあの大きなそりをひけるわよ。ママが約束するわ。だから、そんなに悲しんでいないで、プレゼントをそりに積むのを手伝ってちょうだい。ね、いい子だから。』こう言って、ママはパウラを元気づけようとします。『でも、他の子たちはみんな行くのに、どうして私だけがお留守番?』パウラがか細い声で答えるのを聞くと、ママも考え込んでしまいました。確かにパウラの言う通り、トナカイ の子どもたちもそりの旅に行くことになっています。みんなもうパウラよりも大きくて、力も強いからです。困ったわね、どうしましょう・・・とさんざん考えていると、突然アイデアが浮かびました。『じゃあパウラ、今年 はサンタさんの隣に座らせてもらって一緒に行く?』これを聞いてパウラ は大喜び。サンタさんの元へと、さっそくそりをよじ登りました。